あのちゃんファースト写真集『ANOther』の感想と『あの』について

ごいちです。

ゆるめるモを脱退してからほぼニート状態だった『あのちゃん』が、『ano』名義で音楽活動を再開しました。

今回はあのちゃんの音楽活動再開を記念し写真集を読み直しましたので、あのちゃんの紹介と、

改めて2019年3月に発売された1st写真集『ANOther』のレビューをしていこうと思います。

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『あの』について

まずは、あのちゃんを知らない方のために『あの』について簡単に説明。

・・・が、それが難しい。

『あのちゃん』は不思議な存在だ。

この、その、あの、の、あのなのか、Anotherのanoか、Anonymousのanoか、名前の短縮か・・・ともかく、彼女は『あの』と呼ばれている。

一人称は「ぼく」。

「僕」は、男性がよく使う一人称だが、彼女は男性らしいキャラクターとはいえない。

一方で、よく言われる『女性らしさ』というのもしっくりこない。

幼児性を感じさせることも多いが、コケティッシュな姿を見せることもある。

幼いようで、身長は意外にも165cmある。

ゆるく適当なようで、トークでは空気を読んで面白いことを言ったりする。

利己的なようで、優しいところがある。

ハチャメチャなようでしっかりしている時もある。

掴みどころがないようで、芯のような部分が見え隠れする。

まったく人に合わせる気がないようで、空気を読む時もある。

不器用なようで、やるとなんでもこなせる器用さを見せることがある。

けれどもやはり不器用だ。

常に移り変わっていく雲のようであり、光があればそこに必ず生まれる影のようでもある。

透明な水のようで、どす黒い廃油のようでもある。

なんとも不思議な存在だ。

多くの人は『わかりやすさ』を求めるので、彼女のことを『キャラ』といったレッテルや型というものに嵌め込んで理解したがるが、彼女自身は、そうした型を常に壊そうともがき続けて生きている印象がある。

感情の起伏が激しく、浮き沈みと気分の移り変わりとで、顔を魅せる度にどこか印象が違うように見えることがある。

そこに苦悩や葛藤が垣間見える時がある。

生きること自体が型からの逃避であり、逃避し続けることやもがき続けることが生きることであり、それゆえに苦しい。

その苦しさがまたある一部の『生きづらさ』を感じている人たちの共感を呼ぶのだろう。

彼女はまた『脱退』という形で一つの型から抜け出したわけだが、壊し続ける彼女が生み出してきたものや、これから生み出すものに期待してしまうのは、彼女のような人間がこの世界にあまりいないからだろう。

彼女が生きること自体が表現であり、インスタグラム自体が最高の写真集なわけだが、彼女の作品の一つということで、写真集も手に取ってしまいたくなった。(財布を無くして金が無くなりがちな彼女へのカンパという側面で購入しているファンもいるかもしれない)

あの(ゆるめるモ!)インタビュー 「海…海な感じ。海に沈んでいる感じです」【 アイドルシゴト Vol.2】 – TOWNWORKマガジン
アイドルになったきっかけやアルバイトのことについて語っている。昔のインタビューだが当時から今と一貫してしている芯のようなものを感じる。

写真集の詳細と感想

ダブルA面両開きという挑戦的な仕様

『ANOther』は、鹿児島県指宿(いぶすき)市とカンボジアのシェムリアップという、国も地域も異なったふたつのロケ地で、それぞれ二人の写真家が撮影を行っている。

結果的に1か月足らずで重版になるなど、反響は大きいものだったようだ。

写真集は、見開きから、川島小鳥さんが撮影する指宿編(表)と松岡一哲さんが撮影するカンボジア編(裏)がそれぞれ上下さかさまに載っている、読みづらいが面白い、斬新な仕様。

レビューを見てもこれは賛否があるようだ。

あのちゃんの二面性をあらわそうとしているのか、自由で変幻自在な部分をあらわそうとしているのか、異なった世界に共通性を導こうとしているのか、何故そうしたのかは不明だが、なんども見返す度に発見がありなかなか面白い。

指宿編の、制服姿で大ジャンプして海に飛び込む写真が凄い。

ものすごく高く飛んでいるように見える。

どうやって撮ったのか気になるから調べてみた。

ファースト写真集が好評のゆるめるモ!・あのが写真家・川島小鳥&松岡一哲とトークイベントを開催! 次回作の展望には「遺影をいっぱい撮りたい」 – 週プレNEWS
東京・青山ブックセンター本店での写真家二名とのトークイベントの様子。海に飛び込んだ様子など撮影秘話が語られていて面白い。個人的にはこうした撮影秘話や裏話を写真集にも数ページ載せてもらいたかった。
やはり突発的に生まれたカットのようだ。
面白いなと思った。
指宿編のテーマは『夏休み最後の一日』ということらしい。
犬の散歩をしたり、わたあめやかき氷を食べたり花火をしたり。
そうめんをすする量がエグい。
場面でのあのちゃんの動きを想像しながら観ると、より面白い。
そもそも彼女は学校をすぐに中退しているので、制服で夏休みっぽいことをしているのは、実際はないシーンではないかと思う。
そういう意味では、『もしも世界線が違ったら』というif感を感じたりする。
自分にもそんな青春はなかったのだが、記憶の中を探っているような、妙なノスタルジィを感じたりする。
普段の彼女とはかけ離れた姿だが、妙に似合っている。
「らしさ」って何だろう、と考えさせられたりする。
一方カンボジア編。何故カンボジアか気になったが、
「地雷原があって、“生と死”を感じられる場所に行ってみたい」
という本人の希望から実現したようだ。
彼女は常に危うさを内包しているので、自分の中にテーマとして『死』があるのかもしれない。
死にたい、生きたい、って、何なんだろう。
写真集自体にインタビューが付いていないので、いくつかネットで当時の様子など調べてみた。
夏休みの終わり、って、なんでこうノスタルジィな気持ちにさせられるんだろう。
夏。不思議だ。
全体的に嘘臭さが無く、どこまでも生々しい。
ところどころランジェリーなど無防備なショットがあり、生活の空気感があわさったような妙なエロティシズムを感じる。
とはいえ、安っぽいエロスに落とし込まれているわけではない。
ところどころあのちゃんの『水色』が使われており、『見慣れないシチュエーション』の中でも『あのちゃんの世界』を感じたりする。
デジタルの方は両見開き仕様ではなく、それぞれ未公開写真が収録されている特別版になっている↓
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あのちゃんの写真集というだけで観たくなる

続編があるかはわからないが、是非出してほしいと思った。

ひねらなくても、ギターをしょっていたり、路上で転がっていたり、

部屋で寝転んでいるだけの写真集でもいい。

生きている彼女の姿をもっと見たいと思わせる何かが彼女にはある。

あのちゃん(ano)のソロ曲MVなど

そんなあのちゃんがソロで再び音楽活動を再開する。

嬉しいことだと思う。

1stシングル『デリート』

自宅で撮影されたというリアル感。

本人作詞の歌詞といい独特の生々しさと爽快感が混在している曲。

あのちゃんらしさというものがあるとすれば、これがあのちゃんらしさということなのだろう。

再生数がグングン伸びている。

2ndシングル『Peek a boo』

アイドルとしてではなく、アーティストとしての『ano』の魅力に溢れた一曲。(元々、いわゆる普通の『アイドルっぽさ』はなかった人だけど)

不気味なような、不思議なような、透明感があるような、つかみどころのない感じに興味が惹かれる。

ライブでのパフォーマンスが観たくなる。

公式Twitter:@aNo2mass
公式Instagram:@aNo2mass
公式グッズ:https://pro-store.bitfan.id/ano
出演番組:テレビ朝日にて毎週月曜 深夜2時36分放送『あのちゃんねる』
ブログ:aNo2mass
急に消えてしまいそうなところがあるので、観られるうちに観ておきたい。

その他雑誌など(2020年1月~)

フォトテクニックデジタル 2021年 2月号:表紙&巻頭グラビア

NYLON JAPAN 2月号:anoソロ名義でのインタビュー掲載あり

まとめ

あのちゃんは掴みどころがない

それゆえに面白い。

写真集は斬新だが何度も見返す愉しさがある。

まだ買っていない人は財布を無くしがちなあの様へのお布施も兼ねて買うとよい。

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あのちゃんファースト写真集『ANOther』のレビュー画像
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