ごいちです。
当ブログでは、テレビや広告よりも質と鮮度の高い情報を!をモットーに、筆者が『もっと評価されるべき』と思ったコンテンツを定期的に紹介しています。
今日は元ゆるめるモの『あのちゃん』のソロ曲がリリースされたということで、さっそく紹介していきます。
筆者は音楽好きのブロガーです↓
あのちゃん(ano)について解説
元ゆるめるモのメンバーで、2019年9月30日に脱退。
2020年9月4日~『ano』として1stソロシングル『デリート』をリリースし、新たに音楽活動を開始しました。
情緒不安定な性格、唯一無二のファッションや個性的な言動、ライブでの狂気的なパフォーマンスが注目を集め、あのギャといわれる信者を生み出したり、SNSで驚異的なフォロワー数を集めるなど、アイドル界でもカルト的に愛される存在です。
- Twitterのフォロワー数が45万人超え(@aNo2mass – Twitter)
- インスタグラムのフォロワー数が36万人超え(a_n_o2mass – Instagram)
あのちゃんはアイドルなのか?
昨今では過激な活動を行う新生アイドル研究会(BiS)や、音楽性の高いsoratobsakanaやフィロソフィーのダンスなどバンドマン(や経験者)が作曲を行い『アイドルらしさ』という枠を壊すグループが多数登場していますので、アイドルの定義自体も曖昧になっています。
あのちゃんはいきなり観客にダイブ連発したり柱につかまったりライブ終わりに疾走&失踪&失神したりと激情伴う行動が多く、そうしたアイドル群雄割拠の時代の中でも異彩を放っていました。
ゆるめるモ時代の、筆者が好きなライブ動画↓
『ちゃんとうまく歌う』的な目線をぶっ飛ばして出す彼女たちの不安定でエモーショナルな歌声は、心動かされるものがあります。
ギターをかき鳴らし叫び、後先考えずにダイブをしていく姿は、「あれ、アイドルって何っけ?」と思わされました。
所属していたゆるめるモ自体も、『歩くの遅い犬』や『虎よ』など、オルタナ的で魅力的な楽曲がたくさんあるグループです。
ただ、『アイドルグループ』という枠に所属すること自体が、そう認識されそう扱われることを生み出す原因にもなるので、それ自体が彼女にとって居心地の悪いものになっていた可能性はありますね。
元々、何かに所属することが向いていない気質なのはひしひしと伝わってきますから、そんな彼女と6年間も活動できていたメンバープロデューサー(田家さん)はかなり凄い人なんじゃないかとも思います(いろんな意味で)
(※あとYoutubeに田家さんいつもあのちゃんに叩かれてるなって書いたら公式からいいね来たんだけどどういういいねなんだろうと思った。)
「病み可愛さ」だけではない魅力
奇天烈な言動や行動で『病み可愛い』などと言われることもありますが、個人的にはそうした定型的にレッテル貼りされる突飛でヤバい部分(テレビで暴れたりする所)のよりも、根っこの考え方がしっかりしていたり可愛らしかったり優しさがあったり普通に面白かったり、不器用な部分に魅力を感じます。
彼女を『常に病んでいる人』という前提で捉えようとすることには違和感があります。
永遠に病んでいるわけではなく、浮き沈みがあるのが人という生き物です。
ある場面では社交的になろうと努力してみたり、そうした中で折り合いが合わず葛藤し苦悩をしたり、沈みながら浮き上がろうともがくこともあるはずです。
もがく姿、沈み込む時の姿・・・それぞれが異なって見えても、等しく人間です。
人間は矛盾を孕み、悩み、変化しながら成長していく生き物です。
不可解なモノを理解しやすくするために貼り付ける『レッテル』
人を息苦しい箱に閉じ込めようとする行為。
物事を単純に捉えようとする人間が得意気にする「病んでるふり」「普通に喋れる」といった言葉。
そうした浅薄で思慮のない人間が貼り付ける短絡的な言葉を見たり、聞いたり浴び続けた結果の『生きづらさ』が高校の中退や逃避に繋がったのかもしれないな、と思います。
いつになっても、どこに行っても、そのような浅薄で無意味な言葉を吐く人は無くならないものです。
こうした世界に生きづらさを抱える人は非常に多く、そうした人たちの心を掴んだ結果が人気に繋がっているように思います。
彼女の言葉にはところどころ優しさや深みを感じることがありますね。
ブログの文章も、深く考えがちなところが伝わります。
筆者は、そうした奥の方にあらわれる思慮に魅力を感じています。
写真集のレビュー記事
ごいちです。ゆるめるモを脱退してからほぼニート状態だった『あのちゃん』が、『ano』名義で音楽活動を再開しました。今回はあのちゃんの音楽活動再開を記念し写真集を読み直しましたので、あのちゃんの紹介と、改めて2019年[…]
あのちゃんについての筆者の言葉と写真集のレビューについてまとめました。
本当にフォトジェニックな方だと思います。
ソロ仕事自体は初ではない
テレ朝の『あのちゃんねる』に出演したり、新shock感でレギュラーだったり、映画、雑誌、モデルと幅広い場所でちょくちょく個人仕事をしており活躍しています。
また、ずいぶん昔、2014年にあのバンドでライブを行っていたりしますね。
1stシングル『デリート』について
PVの撮影場所
あのちゃんの提案により自宅で撮影されたそうです。
セットには無いリアル感とごちゃごちゃ感・・・モンスターボールが転がりまくっているところとか部屋がぐちゃぐちゃなところとか最高にあのちゃんっぽくて面白い。
映像監督は杉本大地さん。
(『同じ月は見えない』『あるみち』の監督などをされている20代の映画監督がいらっしゃるのでその方か?)
- 早回しや巻き戻しがぐるぐるする映像が非常にカオティック
- 浴槽やリボンが水色であのちゃんっぽい
- ケーキを吹き消すところ、anoとしての誕生日的な?・・・いや、潰すんかい。ソコガイイ
- ギター弾くあのちゃんいいよね
- 首長いな着物似合いそうだな
- 渋谷を激走するあのちゃん 初期衝動的なものを感じる
いいPVですね。
作詞:あの
ano2massブログにもアップされていた歌詞。
かなしいような不気味なような可愛いような、あのちゃんしか書けない歌詞ですね。
夢? 別に見たくない 本当に嫌だ
からの展開が実に狂気。そしてそこが好きです。
作編曲&ギター演奏:TAKU INOUEさん
元々バンナム所属で、ゲーム(鉄拳、アイマス、スマブラなど)やアニメ楽曲をメインに幅広く手掛けられている方ですね。
ホテル井上、イノタク、文豪、スリムクリアアイズなど異名が多いようです。
最近だと別名義でDAOKOにも楽曲提供をしているようで、活動の幅も音楽性もかなり広いです。
少し不協和音のような違和感の残る演奏と、エッジの効いたギターがロックな楽曲。
それでいてサビは透明感とキャッチ―さがあるという、まさにあのちゃんの『ファンシーカオス』な世界観が出ている楽曲に仕上げています。
ドラム:BOBOさん
世界的にも人気があるMIYAVIやTK from 凛として時雨さんのサポートドラマーもやっている実力派の方です。
2020年末のCDTVにも出ていましたね!?
最近だとかなり人気が高まっているVaundyのサポートも行っているようです。
侍のような顔つきでサウンドを力強く引き締めています。
この方がいると俄然ライブで観たくなりますね。
2ndシングル『Peek a boo』について
更にアーティスト色が強くなった一曲。
やはり作編曲はイノタクさん。
不協和音のようなノイズのような違和感の残る演奏と、エッジの効いたギターが独特な緊張感を出していてカッコいいですね。
それでいてサビは少しキャッチ―で透明感や浮遊感を感じる不思議な楽曲になっています。
海外を中心に活動し女性を手掛けるのが初という映像作家の木村太一さんが手掛けた映像は、あのちゃんのファンシーで生々しいカオスな世界観と相まって神秘的にすら見える世界観を演出していて素敵。
エロスとタナトスは常に表裏一体にあるというが、この表裏一体の自己保存本能と自己破壊本能がせめぎあう様が、まさにあのちゃんの世界観であり、その世界観の上にこの曲は存在しているように捉えられます。
全体的に不穏で死のにおい(タナトス)を感じるPVですが、それだけでなく、生の欲求(エロス)、希望のような空気感も漂っています。
そのせめぎあいが緊張感を生み出していますね。
まとめ
- あのちゃんはアイドルグループに所属していたがおよそ『アイドルらしい』とはかけ離れた存在だった
- 病み可愛いことがフィーチャーされがちだがそれ以外にも魅力がたくさん
- デリートは衝動性と透明感が混在するカオスな曲でPVも最高
- Peek a booはアーティストとして更に成長したあのちゃんのエロスとタナトスがせめぎ合う緊張感のある曲でPVも最高
PVをオファーする相手が毎回独特というか絶妙なところを突いて素晴らしいクリエイティブを発揮していますがあのちゃんのチョイスなのかな?
ゆるめるモ!を脱退したあのちゃんのソロ楽曲、他のアーティストには出せない唯一無二の空気感で、ものすごく良いですね。
コロナの影響で先が読めない状態ですが、配信であってもライブ等やるようであれば是非とも観に行きたいですね。
今後も目が離せない人物です。