PPAPメール知らない人多すぎ問題。パスワード別送の添付zipファイル送信が横行している話。

ごいちです。

ごいち
皆さんはPPAPのこと知ってますか?
イヴィちゃん
当たり前でしょ!ペンパイナッポーアッポーペン♪

・・・今回紹介するのはピコ太郎の『PPAP』ではありません!

巷で横行しているパスワード付き添付ファイル送信の習慣についてです。

筆者はセキュリティ担当ではないもののシステム管理者&WEB管理者として業務を行っている関係で、業者さんとファイルのやり取りを行うことがよくあります。

その際にPPAPをしてくる企業の多いこと多いこと・・・ということで、今回はPPAPがいかに無駄で害悪かについて説明していきたいと思います。

スポンサードリンク

PPAPって何の略?

PPAPの説明画像

  • Password付きzipファイルを送ります
  • Passwordを送ります
  • An号化(暗号化)
  • Protocol(プロトコル)

上記の頭文字をとってPPAPです。

イヴィちゃん
ふざけてるの?
ごいち
日本情報経済社会推進協会に所属していた大泰司章さんが命名した正式名称だ。
ちゃんとWiki(PPAP – wikipedia)もあります。

メールで添付ファイルを送る時に、

  1. パスワード付きzipファイル
  2. zip解凍用のパスワードを別送

上記の手順で送付する方法のことを指します。

ワザワザ2回に分けて送るあたり、一見厳重そうに見えますよね。

しかしそれは大きなミステイク。

実際はセキュリティ対策として意味を成さないものとして有害視され始めています。

未だに送ってくる会社多すぎ

そもそも国外ではほぼ使われていない手法ですが、日本国内ではこの手法がかなり横行しており、取引先のシステム会社や制作会社も未だにガンガンこの方法でメールを送ってきます。

ハンコもそうだけど日本の合理性を度外視した謎のガラパゴス仕様ほんとやめてほしい。

emotetというウイルスが広まっています!気を付けて下さい!

という注意喚起のセキュリティ対策情報を送付してくる某大手企業からのメールがパスワード別送メールだった時はさすがに唖然としましたね。

マルウェア「Emotet」9月に入って急拡大 手口はさらに巧妙に – ITメディアニュース
また、パスワード付きzipファイルを添付し、パスワードをメール本文に記しているケースもあるらしい。その場合、ウイルスソフトのセキュリティチェックを通過する可能性があり注意がひつよ・・・おい!PPAPのせいじゃねえか。
ごいち
次やったらピコ太郎って呼ぶからな!

プライバシーマーク対策とか言われていたが・・・

Pマークを取得するための要件として必要と言われることもありました。

が、Pマークを発行しているJIPDECが『PPAPを従来から推奨していない』と明言。

更に加速していく無意味さ。

ソースは以下↓

スポンサードリンク

PPAPに対する批判

  1. メールを入手できる攻撃者ならば別送されたパスワードも容易に入手できる=無意味
  2. 受信者はわざわざメールをそれぞれ開きパスワード入力する手間がかかる
  3. 受信側のマルウェアフィルタをすり抜ける
  4. そもそもパスワード付きzipが容易に解析される現在意味がない

上記のような理由から有害視されています。

セキュリティ上の効果がない上に受信者に手間をかけさせるとか、害悪以外の何物でもないやんけ!

パスワード付きzip送信が横行することでたまに迷惑メールが添付してくるzipファイルを思わず開きそうになったりする(リテラシーが低い人は開く可能性が高い)のも問題点。

中央省庁でのPPAP廃止は決定されました。

政府もようやく、中央省庁での『PPAP廃止』決めましたよ。(平井さんGJ)

パスワード付きzip、内閣府と内閣官房で26日から廃止へ 外部ストレージサービス活用 平井デジタル相 – ITmediaNEWS
2011年頃から外部と連絡する際にPPAPを利用していたそうですが、無事2020年から廃止されることが決定されました。
政府がね。廃止したんですよ。
まだやるんかい?君ら?
取り上げている書籍もありますよ↓(※ベストセラー)
いやほんとに、日本は『仕事ごっこ』が横行しすぎです。
結構大きめの企業でも未だにやってきます。

何故横行するのか?

受信者にとってはデメリットがあるものの、送信者にとっては低コスト且つ『楽』というメリットがあるため、PPAPを廃止してコストのかかる代替策を実施する場合は送信者にとっては費用対効果が見えないという問題があります。
また、受信者側にとっても、特別新しいソフトウェアやサービスを導入する必要がないというメリットがあります。
上記で軽視されているのは『セキュリティ上の問題点』ですね。
こうなってくると気になるのは、代替策ですよね。

日立がPPAP全面禁止へ

日立がPPAP全面禁止へ、「秘文」の添付ファイル自動暗号化ツールも既に販売終了 – 日経クロステック
2021年1月21日の記事。ピコ太郎??ということで知らない人も呟いた結果、Twitterでトレンド入りしました。ようやくPPAPについて認知されてきましたね。
2021年より、日立が社内でも全面禁止&暗号化ツールである『秘文AE MailGuard』のサポートを2022年6月で終了するようです。
ここにきてようやく脱PPAPが盛り上がってきましたね。

PPAPの代替策

  • S/MIME(wikipedia)
  • オンラインストレージ
  • 電子契約サービス
  • グループウェア
  • SLack
参考資料:くたばれPPAP(pdf)
上記のような対策方法があるといわれています。
実際ベンチャー企業ではすでに対策が始まっており、パスワード付きファイルの受信時にメールサーバーでファイルを自動削除、送信時にはクラウドストレージにファイルを格納し、共有リンクを取引先に伝えるといった方法をとっている会社が出てきています。
詳しくは以下の記事に書いてありました↓
平井大臣が宣言した「脱PPAP」がベンチャーで加速、パスワード別送と決別なるか – 日経クロステック
具体的な例と共に対策を始めたベンチャーについて紹介されています。
代替策として最も楽なのはクラウドストレージの活用かと思います。
また、プロジェクト等組んで頻繁にやり取りをする場合は、プロジェクト管理ツールのBacklogやChatter非公開グループ、Quipなどのグループウェアを使用した上でそちらでやり取りをすると双方にとっても楽でオススメですね。
最近ではChatworkなど無料のツールも出ていますのでそうしたツールを介してファイルを送信する企業も増えています。

まとめ

  • セキュリティにおけるPPAPはピコ太郎のことではない
  • セキュリティ上の効果はないが日本限定で未だに横行している
  • パスワード付きzipはマルウェアフィルタをすり抜けるなどデメリットがある
  • 代替策はオンラインストレージやグループウェア活用などいくつかある
政府も廃止したPPAPを延々続けることは、送信側にとっても『受信者を顧みない企業』として認識される可能性がありもはやデメリットになっています。
実際これをやってくる企業に対しては『対応が遅い企業だな』として自分もあまりいい印象を持ちません。
この記事を見た皆様は、一刻も早くやめましょう。
くたばれ、PPAP!

今回取り上げた関連書籍

PPAP以外にも、押印や郵送などの日本に残る非効率な商習慣について紹介されています。
スポンサードリンク
PPAPメール添付知らない人多すぎ
最新情報をチェックするならこちら↓